2005年07月07日

二酸化炭素、海を酸性化

二酸化炭素は、それが地球温暖化の原因であろうとなかろうと、海を酸性化させている─。英王立協会の科学者グループは六月0日、こう警告した。同グループの報告書によると、海の酸性化が進めば、今世紀末にはサンゴ礁やさまざまな海洋生物に被害が出るという。

「これは非常に深刻な問題だ。影響は骨や殻、炭酸カルシウムの硬い組織をもつあらゆる生物に及ぶ」。同グループの議長で、スコットランド・ダンディー大のジョン・ラーベン博士は、こう指摘する。

60ページに及ぶこの報告書は、2005年7月6日からの英国での主要国首脳会議(G8サミット)にタイミングを合わせたものだ。サミットで議長を務めるブレア首相は、気候変動を抑えるための強力な取り組みを求めている。

複雑で不完全なコンピューターモデルに基づく地球温暖化の予測とは異なり、二酸化炭素と海水の化学は単純かつ明白だ。自動車や発電所などで化石燃料を燃やした結果、毎年250億トン以上もの二酸化炭素が大気中に放出される。そして、そのざっと3分の1が海水に吸収される。

二酸化炭素は海水中で化学反応を起こして酸をつくり、この酸が殻などをむしばむ。「これは高校で習う程度の化学だ。疑いをはさむ余地はない」とラーベン博士は言う。

酸性化アルカリ性かの度合いを示すPH(水素イオン濃度指数)でみると、海水のPHは現在、弱アルカリ性の8.1.産業革命が始まった2世紀前より0.1ほど下がった。

わずかな変化のようだが、実際には、海水中の水素イオンは30%も増えたことになる。いまのペースで化石燃料を燃やし続けると、海面付近の海水のPHは2100年には7.7〜7.9にまで下がるという。これは過去42万年でもっとも低い値だ。

同グループのメンバーで、米カーネギー研究所のケン・カルデリア博士によると、二酸化炭素の排出ペースはこの2世紀の間に速まっている。昔だったら、海面の水が深海の水と混ざって、二酸化炭素の影響を弱める時間的な余裕があった。「数十万年間放っておければ、心配はないのだが」とカルデリア博士。

海水のPHの変化は、温暖化や環境汚染ですでに傷ついているサンゴ礁の成長を、さらに遅らせるに違いない。「今世紀半ばには、サンゴ礁の劣悪化がはっきりしてくるだろう」とラーベン博士は言う。

海の酸性化はまた、炭酸カルシウムの殻をもつプランクトンを減少させ、自然界の食物連鎖を乱し、漁業に深刻な影響を及ぼす可能性がある、と科学者たちは指摘する。

─(朝日新聞・「海外の提携紙から」ニューヨーク・タイムズ一般記事)より
posted by schazzie at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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