2005年10月09日

「エベレスト、3.7m低かった」中国が測定結果を発表

- asahi.com

中国国家測量局は9日、世界最高峰エベレスト(中国名・チョモランマ)の標高がこれまでの公式測定値より3.7メートル低い8844.43メートルであるとする調査結果を発表した。同局は「国力をあげて最新技術による精密測定を行った」としており、今後、この測定値を公式に使用するという。

エベレストの標高を巡って、中国政府はこれまで75年に測定した8848.13メートルを公式値としてきた。しかし、世界各国の地図作製に大きな影響力を持つ全米地理学協会が99年、全地球測位システム(GPS)を使った測定による8850メートルを新たに採用。中国はこれを認めず、大規模な測定調査を今年3月から始めていた。

これまでの測定値よりも標高が低くなった理由について、同局の陳邦柱局長は9日の記者会見で、山頂の氷雪の厚さなどが過去の測定値と異なった値になったことを指摘。GPSに加えてレーダー技術なども導入した最新の精密測定による結果だとして、国際的にも認知されるとの自信を示した。

日本の理科年表はエベレストの標高を8848メートルとしている。
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2005年09月28日

ハリケーンの名前

「カトリーナ」などハリケーン多発、命名在庫は4個に
2005年9月28日23時29分
- YOMIURI ONLINE

【ニューヨーク=大塚隆一】
「カトリーナ」や「リタ」など今年、大西洋北部でハリケーンが多発し、今後発生するハリケーンに付ける名前が足りなくなる恐れが出てきた。

ハリケーンや熱帯暴風雨には国際社会共通の名前が付く。メキシコ湾など大西洋北部の場合、世界気象機関が計21の名前を連ねたリスト6種類を毎年順番に使い、6年でリストを一巡させる仕組み。

カトリーナのように大きな被害が出た場合、その名前を「欠番」として除き、6年後には新たな名前に入れ替えたリストを使う。今年はすでに17個が使われ、残りはスタン、タミー、ビンス、ウィルマの4個だけ。ハリケーンのシーズンが終わる11月末までに使い切ってしまう恐れもある。

22番目以降は、ギリシャのアルファベットを利用して「アルファ」「ベータ」「ガンマ」と命名する。
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2005年09月10日

ハリケーン「カトリーナ」は引退するかもしれない

2005年09月09日 10時00分
- エキサイトニュース

名前の表が掲載されているNOAAサイト


先日、ハリケーン「カトリーナ」がアメリカに甚大な被害を与えたニュースが話題となった。そんなハリケーン、それぞれの名前をニュースで聞くたび気になるのは私だけじゃないはず。「次はワシが発生、日本列島に接近中!?」でも紹介されていたとおり、ハリケーンの名前はアメリカ軍が親しみをこめて名づけたと言われている。しかし、それ以外にも秘密があった。

ハリケーンの名前は、毎年発生順に、頭文字のスペルが「A」のものからアルファベット順に名付けられているのだ。例えば今回の「カトリーナ(Katrina)」、スペルの頭文字は「K」。Aから始まるアルファベットでKは11番目。つまり、「カトリーナ」はいわゆるハリケーン11号だったのだ。次のハリケーンは「L」から始まる「Lee」。なるほど。いわゆる名簿順みたいなものか。

日本の台風も、数字の他に名前があるが、これは台風発生年に関係なく140個の名前を順番に使用し、名前を使い終わるとまた1番目の名前から使うというサイクルになっている。それに対して、ハリケーンの名前は1年ごとのリストを6年周期でサイクルさせる。つまり今年のハリケーン11号の名前がカトリーナであることは、何年も前から決まっていた事実ということになる。言い方を変えれば、6年前(1999年)のハリケーン11号の名前は「カトリーナ」だったし、6年後(2011年)のハリケーン11号の名前も「カトリーナ」になる“予定”、ということ。要するに6年おきに同じ名前のハリケーンが出現することになるのだ。

さて、なぜ“予定”と書いたのかというと、実は台風・ハリケーンの名前には『引退』という制度があるのだ。甚大な被害を及ぼした台風・ハリケーンの名前は背番号の永久欠番のように残しておこう、という仕組み。その後は新しい名前がリストに補充される。おそらくこれほどの被害を出した「カトリーナ」、引退することになるのではないだろうか。次はどんな「K」から始まる名前が付けられるのか。

しかし実際問題、被害を考えれば名前の引退なんて行われないほうが、断然良い。ハリケーン界引退は決して名誉とは言えないものだった。(おむらいす)
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2005年07月12日

不幸のメール止めます

「止めると不幸になる」などとして他人に転送を促して連鎖させるチェーンメールの横行を防ごうと、日本データ通信協会(東京都豊島区)の「迷惑メール相談センター」が今月、対応の10種類の専用アドレスを設置した。

チェーンメールの処理は、受け取っても相手にしないでだれにも回さないのが基本だが、不安な人は、専用アドレスに転送すれば、同センターが責任を持って消去するという。

チェーンメールには、転送しないと「殺す」「巨額のパケット通信代を払わせる」といった恐怖を駆り立てるパターンや、「どこまでつながるかテレビ番組の企画で実験中」などというデマメールなどもあるという。

同センターは、迷惑メールの相談を電話(03-5974-0068)で受け、アドバイスする組織。ホームページは下記。

http://www.dekyo.or.jp/soudan/top.htm


チェーンメール対応アドレス

dake001@docomo.ne.jp
dake002@docomo.ne.jp
dake003@docomo.ne.jp
dake004@docomo.ne.jp
dake005@docomo.ne.jp
kuri001@t.vodafone.ne.jp
kuri002@t.vodafone.ne.jp
kuri003@t.vodafone.ne.jp
shika001@ezweb.ne.jp
shika002@ezweb.ne.jp
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不滅の爆弾

ハリウッドを第ひゅおするアクションスター、スティーブ・マックイーンが、50歳の若さで他界したのは80年の秋だった。末期のがん(胸膜中皮腫)に侵されており、原因はアスベスト(石綿)ではないかといわれた。

車のブレーキの内張りや、レーサー用の不燃スーツの裏地など、アスベストは、マックイーンがその人生を通じて使ったほとんどの乗り物に何らかの形で存在していた(W・ノーラン 『マックイーン』 早川書房)。

アスベストは「不滅」あるいは「消すことのできない」を意味するギリシャ語に由来するという。熱や酸に強く、物の形に従いながら半永久的に存在し続ける。

広瀬弘忠著『静かな時限爆弾』(新曜社)によると、アスベスト利用の歴史は石器時代にまでさかのぼる。古代ギリシャでは神殿の金のランプの灯心として使われた。既にギリシャ・ローマの時代には、アスベストを採掘する人や、その繊維を紡ぐ職人に肺疾患が多発していたという。

日本での、アスベストによる健康被害の実態がようやく明らかになりつつある。多数の工場従業員だけではなく、夫の作業着を洗濯する時にアスベストを吸い込んだ妻までが、中皮腫で亡くなったという。どこかで吸い込んだだけで発症の危険をはらむなら、誰にでも起こり得ることだろう。

発症までの期間の極めて長い「不滅の爆弾」が、本格的に爆発するのはこれからともいう。被害の全容をつかみ、治療の手だてを探る。爆弾を安全なやり方で除去する。それが、遅まきながら、不滅を不発に変える道ではないか。

─(朝日新聞・天声人語)
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生体認証

手のひらや指先の静脈、指紋や声紋といった身体の特徴を測定し、コンピューター分析して本人かどうか確認する方法。国内では静脈を赤外線で読み取る方式が主流。間違える可能性は「100万人に1人」の水準まで精度が高まっているが、プライバシーの観点から厳重な情報保護も求められている。

─(朝日新聞)
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2005年07月11日

国民保護計画

2004年6月に成立した国民保護法に基づき、外国からの武力攻撃や交通機関へのテロ攻撃などに備え、それぞれの地域で住民の避難や救援の具体的な方法を盛り込んだ計画をまとめることになった。各省庁と都道府県は05年度中に、市町村は06年度中に策定することが求められている。

─(朝日新聞)
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2005年07月09日

ラッセル・アインシュタイン宣言

ロンドンで、哲学者バートランド・ラッセルが核戦争回避を訴えるために記者会見を開いた。ちょうど50年前の7月9日のことである。アインシュタインや湯川秀樹らも署名したアピールは、米、英、ソ連などの首脳に送られ、「ラッセル・アインシュタイン宣言」として世界に広まった。

厳しい冷戦下での宣言らしく、「核戦争による人類絶滅の危険」を警告している。民族や信条を超えた「人類のひとり」として訴えかける姿勢には、今もなお十分に説得力がある。

「私たちがいまこの機会に発言しているのは、あれこれの国民や大陸や信条の一員としてではなく、その存続が疑問視されている人類、人という種の一員としてである」。ビキニ環礁での米国の水爆実験による第五福竜丸の被曝にも触れながら、将来の世界戦争では必ず核が使われると危機感を述べる。

「私たちは世界の諸政府に、彼らの目的が世界戦争によっては促進されないことを自覚し・・・彼らのあいだのあらゆる紛争問題の解決のための平和的な手段をみいだすよう勧告する」(『反核・軍縮宣言集』 新時代社)

それから半世紀、今でも絶滅の危機は残っているが、核兵器は使われていない。しかし、紛争問題解決のための平和的な手段を見いだすことは難しく、戦争やテロは絶えなかった。

卑劣な同時多発テロに襲われたロンドンから、市民たちの表情が伝わってくる。突然の凶行の恐怖に耐えながら、冷静さを保つようにつとめている印象を受ける。その姿に、「種の一員」としての共感を覚えた。

─(朝日新聞・天声人語より)
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2005年07月07日

二酸化炭素、海を酸性化

二酸化炭素は、それが地球温暖化の原因であろうとなかろうと、海を酸性化させている─。英王立協会の科学者グループは六月0日、こう警告した。同グループの報告書によると、海の酸性化が進めば、今世紀末にはサンゴ礁やさまざまな海洋生物に被害が出るという。

「これは非常に深刻な問題だ。影響は骨や殻、炭酸カルシウムの硬い組織をもつあらゆる生物に及ぶ」。同グループの議長で、スコットランド・ダンディー大のジョン・ラーベン博士は、こう指摘する。

60ページに及ぶこの報告書は、2005年7月6日からの英国での主要国首脳会議(G8サミット)にタイミングを合わせたものだ。サミットで議長を務めるブレア首相は、気候変動を抑えるための強力な取り組みを求めている。

複雑で不完全なコンピューターモデルに基づく地球温暖化の予測とは異なり、二酸化炭素と海水の化学は単純かつ明白だ。自動車や発電所などで化石燃料を燃やした結果、毎年250億トン以上もの二酸化炭素が大気中に放出される。そして、そのざっと3分の1が海水に吸収される。

二酸化炭素は海水中で化学反応を起こして酸をつくり、この酸が殻などをむしばむ。「これは高校で習う程度の化学だ。疑いをはさむ余地はない」とラーベン博士は言う。

酸性化アルカリ性かの度合いを示すPH(水素イオン濃度指数)でみると、海水のPHは現在、弱アルカリ性の8.1.産業革命が始まった2世紀前より0.1ほど下がった。

わずかな変化のようだが、実際には、海水中の水素イオンは30%も増えたことになる。いまのペースで化石燃料を燃やし続けると、海面付近の海水のPHは2100年には7.7〜7.9にまで下がるという。これは過去42万年でもっとも低い値だ。

同グループのメンバーで、米カーネギー研究所のケン・カルデリア博士によると、二酸化炭素の排出ペースはこの2世紀の間に速まっている。昔だったら、海面の水が深海の水と混ざって、二酸化炭素の影響を弱める時間的な余裕があった。「数十万年間放っておければ、心配はないのだが」とカルデリア博士。

海水のPHの変化は、温暖化や環境汚染ですでに傷ついているサンゴ礁の成長を、さらに遅らせるに違いない。「今世紀半ばには、サンゴ礁の劣悪化がはっきりしてくるだろう」とラーベン博士は言う。

海の酸性化はまた、炭酸カルシウムの殻をもつプランクトンを減少させ、自然界の食物連鎖を乱し、漁業に深刻な影響を及ぼす可能性がある、と科学者たちは指摘する。

─(朝日新聞・「海外の提携紙から」ニューヨーク・タイムズ一般記事)より
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2004年09月26日

東大に初めて校歌

東大が1877年の創立以来、初めて校歌を制定する。これまで校歌ではなく、応援歌などで代用していた。国立大学法人化を機に、アイデンティティーを新たにする必要があるとして、6月末に検討会を設けた。新しい歌を作っても、定着しないことが予想されるとして、同校の運動会歌「大空と」を選び、定着するまで暫定校歌として様子をみる。

「大空と」は、北原白秋の作詞、山田耕作の作曲。1932年に「東京帝国大学の歌」として誕生した。しかしその後、詳細は不明だが、校歌ではなく運動会歌になった。

10月8日まで学生や卒業生から意見を募った上で正式決定し、11月に卒業生の会で校歌として歌う予定。

─(朝日新聞 9/23)
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2004年09月23日

NY Times: Top 10 Most Popular Articles (September 8-22)

1) Portrait of George Bush in '72: Unanchored in Turbulent Time
By SARA RIMER
Published: Sept. 20

2) Falling Bodies, a 9/11 Image Etched in Pain
By KEVIN FLYNN and JIM DWYER
Published: Sept. 10

3) Documents Suggest Special Treatment for Bush in Guard
By KATHARINE Q. SEELYE and RALPH BLUMENTHAL
Published: Sept. 9

4) Op-Ed: Cheney Spits Toads
By MAUREEN DOWD
Published: Sept. 9

5) U.S. Intelligence Shows Pessimism on Iraq's Future
By DOUGLAS JEHL
Published: Sept. 16

6) Cracking Under the Pressure? It's Just the Opposite, for Some
By ANAHAD O'CONNOR
Published: Sept. 10

7) Cheney Warns of Terror Risk if Kerry Wins
By DAVID E. SANGER and DAVID M. HALBFINGER
Published: Sept. 8

8) This Time Bill O'Reilly Got It Right
By FRANK RICH
Published: September 19

9) Op-Ed: Pre-emptive Paranoia
By MAUREEN DOWD
Published: Sept. 16

10) Op-Ed: Missing in Action
By NICHOLAS D. KRISTOF
Published: Sept. 8
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2004年08月14日

大学改革

特色或る大学教育支援プログラム、ロースクールの設立、国立大学の独立法人化、産学連携への動き・・・。大学改革の波は急速に広がり、高等教育の活性化が始まっている。背景には、少子化による学生数の減少や学力低下、外国大学との競争などがある。

そんななか、「大学全員入学時代、07年到来」との報道が教育関係者らに少なからぬ衝撃を与えている。これまでの中央教育審議会の試算より2年早まり、生き残り競争がより激しくなると見られるからだ。「全入時代」は、数字上は受験者全員が入学できる。だが、それでは大学は、優秀な学生を獲得できない。

そこで、注目されているのが、能力の多様性を見るAO(アドミッション・オフィス)入試。多くは書類審査や面接などで選考する。合否は人物重視の総合評価で決まる。

志望学科に役立つボランティア活動の実績や研究意欲を示す自己アピールを提出させるなど教科の学力以外に個性と特色を打ち出すことが、学生募集の打開策とみて大学は意欲的だ。03年入試でAO入試を実施した大学は337、入学者数は25,000人を超え、今後も増えそうだ。

今、小学生の子どもがいる保護者の多くは、「名のある大学」を片っ端から受験した世代だろう。まずは有名大に入る。何をしたいのかはその後に探す。そんな「18歳からの選択」をしていたわけだ。

しかし、AO入試でわかるように、今後学生に求められるのは、受験までに何を学んだかという「学習歴」であり、大学で何をしたいかという明確な動機。つまり「18歳までの選択」だ。

「産学連携」も急務だ。研究論文のための研究だけではなく、製品化、実用化に直結する産業界のニーズに沿った研究が求められる。それは同時に、国際化・情報化社会で通用する人材育成にもつながる。大学に課せられた役割に応えられるか否かで、大学の明日は決まる。

─日能研・高木幹夫代表(朝日新聞、8/14)
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2004年08月07日

写真家アンリ・カルティエブレッソン

「最も些細なことが大きな主題になりうる」。そう考える彼は「日常」のなかに「非日常」をかぎつける人だった。「瞬間」に「永遠」を見つける人といってもいいかもしれない。

彼の写真を見ていると、ささやかな人生も、身近な街角も「決定的瞬間」に満ちていることを思い知らされる。

―(朝日新聞・天声人語)

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2004年08月06日

広島市長平和宣言

「75年間は草木も生えぬ」と言われたほど破壊し尽された8月6日から59年。あの日の苦しみをいまだに背負った亡骸(なきがら)─愛する人々そして未来への思いを残しながら幽明界(さかい)を異にした仏たちが、今再び、似島(にのしま)に還り、原爆の非人間性と戦争の醜さを告発しています。

残念なことに、人類はいまだにその惨状を忠実に記述するだけの語彙を持たず、その空白を埋めるべき想像力に欠けています。また。私たちの多くは時代に流され惰眠をむさぼり、将来を見通すべき理性の眼鏡は曇り、勇気ある少数には背を向けています。

その結果、米国の自己中心主義はその極に達しています。国連に代表される法の支配を無視し、核兵器を小型化し日常的に「使う」ための研究を再開しています。また世界各地における暴力と報復の連鎖はやむところを知らず、暴力を増幅するテロへの依存や北朝鮮などによる実のない「核兵器保険」への加入が、時代の流れを象徴しています。

このような人類の危機を、私たちは人類史という文脈の中で認識しなくてはなりません。人間社会と自然との織り成す循環が振り出しに戻る被爆60周年を前に、私たちは今こそ、人類未曾有の経験であった被爆という原点に戻り、この1年の間に新たな希望の種をまき、未来に向かう流れを創らなくてはなりません。

そのために広島市は、世界109カ国・地域、611都市からなる平和市長議会と共に、今日から来年の8月9日までを「核兵器のない世界を創るための記憶と行動の一年」にすることを宣言します。私たちの目的は、被爆後75年目に当たる2020年までに、この地球からすべての核兵器をなくすという「花」を咲かせることになります。そのときこそ「草木も生えない」地球に、希望の生命が復活します。

私たちが今、まく種は、2005年5月に芽吹きます。ニューヨークで開かれる国連の核不拡散条約再検討会議において、2020年を目標年次とし、2010年までに核兵器禁止条約を締結するという中間目標を盛り込んだ行動プログラムが採択されるよう、世界の都市、市民、NGOは、志を同じくする国々と共に「核兵器廃絶のための緊急行動」を展開するからです。

そして今、世界各地でこの緊急行動を支持する大きな流れができつつあります。今年2月には欧州議会が圧倒的多数で、6月には1183都市の加盟する全米市長会議総会が満場一致でより強力な形の、緊急行動支持決議を採択しました。

その全米市長会議に続いて、良識或る米国市民が人類愛の観点から「核兵器廃絶のための緊急行動」支持の本流となり、唯一の超大国として核兵器廃絶の責任を果たすよう期待します。

私たちは、核兵器の非人間性と戦争の悲惨さとを、特に若い世代に理解してもらうため、被爆者の証言を世界に届け、「広島・長崎講座」の普及に力を入れると共に、さらにこの1年間、世界の子どもたちに大人の世代が被爆体験記を読み語るプロジェクトを展開します。

日本国政府は、私たちの代表として、世界に誇るべき平和憲法を擁護し、国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮を匡(ただす)べきです。また、唯一の被爆国の責務として、平和市長会議の提唱する緊急行動を全面的に支持し、核兵器廃絶のため世界のリーダーとなり、大きなうねりを創るよう要請します。さらに、海外や黒い雨地域も含め高齢化した被爆者の実態に即した温かい援護策の充実を求めます。

本日私たちは、被爆60周年を、核兵器廃絶の芽が萌え出る希望の年にするため、これからの1年間、ヒロシマ・ナガサキの記憶を呼び覚ましつつ力を尽くし行動することを誓い、すべての原爆犠牲者の御霊(みたま)に哀悼の誠をささげます。

2004年(平成16年)8月6日 
広島市長 秋葉忠利

─(朝日新聞、8/6)
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